知っておきたい海外長期滞在者の携帯電話(スマホ)事情
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1. 海外赴任に合わせて、従来のSIMカードを解約
私は研究者として海外の研究機関で働くチャンスを得て、ここ5~6年ほど海外生活をしていました。海外に出発する前に悩んだのは、日本の携帯電話をそのままの契約で番号を持っておくかどうかでした。
その時は、ソフトバンクで契約していたのですが、いわゆるガラケー。当時はiPhoneが発売されたばかりで興味はあったものの、既に海外渡航が決まっていたため、そんな日本でしか使えないようなSIMロックがかかったスマホを、たとえiPhoneと言えども買う気にはならなかったのです。
そんなわけで、ガラケーを使っていたのですが、かかっていたお金は通話基本料のWホワイト1980円+データ通信量を合わせて、月6000~7000円でした。
それを、海外赴任中はデータ通信をカットし、ホワイトプラン980円にしておけば980円x12か月で約12000円になります。これを高いと見るか安いと見るかは人それぞれだと思いますが、当時の私は1~2年で帰ってくると思っていたので、2年でも24000円くらいで電話番号を維持できるなら安いものかと思って、そのままにして海外に飛び立ったのでした。
その1年後、1か月の一時帰国の際には、帰ってきてすぐに空港から日本の番号が使える便利さに「やっぱり番号を残しておいてよかった」と実感しました。
そして、日本での滞在も残り1週間という時、海外の上司から「契約を延長し、あと4年いてくれないか」という打診があったのです。それは私にとって大変嬉しい話でしたので、すぐに承諾の返事をしましたが、そこからいろいろな事務手続きを済ませる一環として、今の日本の携帯電話の契約をどうするか考え始めました。
海外で働く知人の話によると、今後は海外のSIMフリー携帯を買って、日本に帰った時には旅行者用のSIMカードを使えばいいのでは?という提案もありました。
実際、私がいた国では携帯本体は全部SIMフリーで、自分が好きな会社のSIMカードを選んで使うことができましたので、日本の携帯電話会社の販売方法に疑問を抱いていたんです。日本にもSIMフリーの波がやってくればいいな、そんな思いで解約という決断をしたのです。
2. 一時帰国時には旅行者用のプリペイドSIMカード
海外に戻ってしばらくしてから、SIMフリーのスマホを購入しました。そして、翌年の日本への一時帰国の前に成田空港で直接受け取れるb-mobile旅行者用SIMカードをインターネットで予約しておきました。
データ通信専用SIMだったので、通話をしたい際にはSkypeアウトを利用していました。もちろんIP電話ではかけられない番号などもあって少し不便なこともありましたが、その時はたった2週間の帰国だったので、なんとか乗り越えました。
当時は通信速度が今ほど早くなく、通話が途切れがちになることも多かったのを覚えています。
それから数年は、日本に帰国するたびに空港でさまざまなプリペイドSIMカードを購入して使っていました。
また、こちらから電話をかけた分の通話料だけ支払えばよいという実質無料の通話専用SIMを借りたこともありました。それは以前使っていた日本の携帯本体に入れて使いました。
3. いよいよ本帰国!格安SIMカードの購入へ
そんなこんなで数年間は、日本で使える様々なプリペイドSIMのお世話になったので、格安SIMカードの使い方に慣れていたせいか、日本に本帰国する際も大手携帯事業者のSIMカードを購入するつもりは全くありませんでした。
どこでもデータ通信ができれば、IP電話で用事が済ませられる環境になっていたので、データ通信専用SIMも検討したのですが、先方から電話がかかってくる場合やいろいろな場面で電話番号の記入を求められる場合もあると思ったので、通話もできる格安SIMを購入することに決めました。
欠点としては、ソフトバンクを使っている実家の両親と家族割りができなくなるというくらいでしょうか。
帰国日の一週間前に、インターネットでb-mobileの「スマホ電話SIMフリーData(ナノ)1年継続」というサービスを申し込みました。こちらは月額1,600円(税込1,686円)で、通話料は20円/30秒のBasicプランにしました。このプランは通常はデータ通信量が月1GB利用可能で、それ以上使った場合は低速になるというものなのですが、1年間継続して利用するということを購入時に約束することで1か月に利用できる通信料がさらに1GB、つまり通常より2倍になるという優れものだったのです。
当時は海外で購入したSIMフリーのiPhone5を使っていたので、それに入れて使うつもりでした。海外滞在中もデータSIMを使っていて、1か月平均1GBぐらいで済んでいたので、このプランで十分だと思いました。通信料が多くなる動画などを見る時は、Wi-Fi環境で利用すればいいのですから。
契約はネット上で簡単に済ませることができました。そして、日本に帰る前にすでに新しい電話番号もわかっていたので、家族・知人などにあらかじめ教えることができて大変便利でした。
格安SIMの受取は、最初は成田空港の郵便局でと考えていたのですが、飛行機が到着するのが深夜になるため郵便局が閉まっているということがわかりました。サイトをよく読むと、滞在先のホテルなどにも配達してくれるということだったので、それは便利だということで宿泊先に送ってもらうことにしました。
4.格安SIMカードを利用してみての感想
大手携帯事業者で同じようなサービスを使った場合、通話とデータ通信の基本料だけでも2000円を超える中、格安SIMは本当に優秀だと思います。
たった1600円で2GBのデータ通信ができて、両親が使っているガラケーの支払い料金よりも安いのを見るたびに本当にびっくりします。
以前に使っていたプリペイドデータSIMの時よりも通信速度があがってきていて、非常に利用しやすくなっています。
実は、また来月から2年ほど海外滞在が決まっているので、今使っている格安SIMは解約をする予定でいます。最近は月額1000円程度の格安SIMも出ているようだし、日本の携帯本体もSIMフリーになってきたので、これから益々格安SIMが幅広く展開していくのではないかと、次の帰国時に使うカード探しが益々楽しみです。