iPhone6×格安SIMで節約!SIM下駄の使い方やリスクも

  • 久石敬人

SIMカードとスマートフォン

iPhoneユーザーですが、大手キャリアSとの契約を打ち切り、格安SIMのIIJmioを利用しています。格安SIMへの乗り換えは、キャリアへの月々の支払いがあまりにも高すぎると感じたためです。

しかしiPhoneの利便さは手放すことができないものになっていました。日々バス・電車での移動の際、時刻を確認したり、地図で不慣れな土地でも現在地周辺や目的地を確認したり、ホテルの予約、それに天気予報の確認、ニュースのザッピングを通して今世の中で起きていることを把握する、また銀行口座の状況の確認や、振込・買い物に至るまで、もはやiPhoneが今の私の生活様式を支えるに欠くべからざるギズモになっています。

加えて言えば、MacBookやApple TVとの親和性・コンテンツの共有を考えると、それもまたiPhoneを手放せない理由になっていました。

さて、利便を損なうわけにはいかずiPhoneは維持したいが、キャリアへの支払い額を下げたいという悩みをずっと抱えてきましたが、格安SIMという手だてを知ったことがそれを解消してくれる契機になりました。

ただ、大手キャリアSと契約していた当時には、キャリア専用のSIMしか受け付けない同キャリア専用モデルのiPhone 6 Plusを使っていたため、そのまま契約をキャリアとの打ち切っただけでは、これまで使ってきた私のiPhone 6 Plusは格安SIMを受け付けないことを知っていました。

考えられる方法として、(1)使っていたiPhoneを他のSIMでも受け付けるように細工をするか、それとも(2)あきらめて格安SIMを受け入れるSIMフリー版のiPhoneを買うか、ですが、結局、私の場合、(2)のSIMフリー版のiPhoneを購入することにしました。

どちらが安上がりかを比較考量しましたが、(1)の方法だと安上がりなものの格安SIMを受け入れるような細工ができるかが確実とは言えずあきらめた、ということです。少し詳しくお話ししますと、(1)の方法としては、格安SIMを受け入れるようにiPhoneの脇にあるSIMスロットに格安SIMを挿入する際に、SIM下駄と呼ばれる極薄いアダプターを噛ませる方法がよく知られています。

SIM下駄は、Amazon.co.jpなどで探せば売られていますが、だいたい1000円~2000円くらいで、極々小さい部品です。SIMスロットに格安SIMを挿入する際にこの極薄いアダプターを噛ませる、ということ自体に技巧が要ると思います。

そのことの心配よりもどちらかというと、苦労して首尾よくSIM下駄を履かせた状態で格安SIMをスロットに挿入できたとして、果たしてiPhoneは思うように正常作動するのかどうかに確信が持てなかったことが原因で採用を止めました。

このSIM下駄を履かせるという方法で格安SIMを受け入れられるようにしようとする場合、狭いSIMスロットの中に薄い部品を挿入して次に取り出す必要が生じたときにもしもSIM自体を取り出せないとなれば、実質的に故障ということになって、修理の必要が生じるかも知れず、そのリスク込みでのチャレンジになりますし、それに加えて、例えば、OSのアップデートがされた時に、アップデートした後のOSによってSIM下駄が機能しなくなり突如使えなくなる、といった将来の不具合の見込みも気になり、安価ながらも不確実な方法と考え、(1)は否にしました。

(1)の方法には、上記述べたSIM下駄を履かせる方法以外にも、ファクトリーアンロックと呼ばれる方法があるのも知っていました。これは、キャリア専用モデルのiPhoneのSIMロックを外してSIMフリーの状態に置き換える専門の業者に依頼する方法ですが、そもそも依頼する費用が数万円と高額であるのに加えて、iPhoneに固有のIMEI番号を自分自身のiPhoneの「設定」で調べて、それをこの専門業者に伝えねばなりません。そのことが、iPhoneで管理している情報を持ち出しされてしまうといったリスクにさらす、ということがそれほど大きいとは思いませんが、しかしそもそもSIMロックのかかったiPhoneのステータスを遠隔的に修正してしまうような業者のことなので、何をされるか嫌な感じが否めないのも気がかりでした。

加えて、これはSIM下駄の場合と同じですが、OSのアップデートがされた時に、アップデートした後のOSによって機能しなくなり、突如使えなくなる、といった将来の不具合の見込みも気になりました。色々思案した挙句、キャリア専用モデルのiPhone 6 Plusを売却し、そして新規にSIMフリーのiPhone 6s Plusを購入することにしました。

今は中古iPhoneに対する需要が高く、そのため、元々10万円程度で購入した私のキャリア専用モデルは55000円で売却でき、そして、SIMフリーのiPhone 6s Plusに実質約8万円の差額で買い換えることができたことになります。

IIJmioのSIMは月々1600円で利用中。データを3Gb使うことができます。また、月々2220円支払えば5Gbまで利用できます。私の利用形態として、自宅では概ねWiFiでインターネット接続し、外出時はLTE利用ですが、インターネットでは、地図や列車の時刻を頻繁に調べる他、新聞をみたり、銀行口座の入出金の状況を確認したり、は毎日のようにやりますが、3Gbを越えてデータを利用することはまずありません。最近では電車の中でもWiFiのサービスが始まってもいますので、便利です。もしも利用できる月あたりのデータ量を越えたとしても、低速モードで通信は一応できます。東京・川崎・横浜あたりでは、低速モードでもウエブサイトの閲覧とかメールを読む程度であれば、そんなにストレスもなく利用できています。

データの利用量は随時IIJmioのアプリで確認できますし、便利なのは、低速と高速の2モードをこのアプリによって随時切り替えができ、与えられた月あたりのデータ量を目減りさせるのは実は高速モードで利用したときだけなのです。ですので、利用量をアプリで確認していて、使いすぎているなと思えば、メールを読む等の速度のストレスをあまり感じないで済む際に低速モードに切り替えれば、データ量の利用枠が目減りしていかず節約にもなり、大変に便利です。似たようなサービスは他の格安SIMプロバイダでも同様に提供し始めています。

ところで、IIJmioのインターネット等利用の際の体感速度についてですが、場所をあちこち変えて利用してはいますが、高速モードでは、どこにいてもほぼストレスはありません。東海道新幹線に乗っていても同様にストレスなく利用できます。大手キャリアSとの契約当時には、ずいぶんストレスを感じることが多かったのと比べると、料金は格段に安くなって全般的に体感速度は上がっており、サービスの満足感はとても高いです。

大手キャリアSとの契約当時には、月額6800円程度(iPhone本体は一括払いのため月額には含まれず)でしたので、月額1600円の現在と比べると、実に5200円も安くなっているということになります。iPhoneを買い換えた際に出費した8万円程度の初期投資は、1年半もせずに元が取れるということになります。

ついでながら、通話も安くと考えたいところ、IIJは「みおふぉん」というアプリで通話額を半額化できることも売りにしています。そのサービス自体は悪くないのですが、30秒20円の通常の通話料が30秒10円になるというもの。

つまり「みおふぉん」を使うと30秒10円かも知れませんが、30秒より少しでも長ければ20円。例えば31秒なら20円ということになって実際使ってみるとそれほどのお得を感じないのです。これを解消する手だてとして、私は、brastelという業者の通話アプリを入れています。このアプリを入れて通話料を予めチャージしておくと、アプリを起動させてアプリから通話すれば、30秒10円ですが、課金単位が短く6秒単位のため、例えば通話が15秒で終わった場合には通話料金は6円で済みます。わずかの差のようで、これがチリツモ式に増えて月額の通話料に及ぼす影響は結構大きく、このbrastelは非常に重宝しています。

050電話でもないので、とてもクリアな音質で通話品質はよいですね。さらにこの同じアプリでは、050通話番号さえも付与されますので、WiFi利用時でも外出時でも、050通話を選べば圧倒的に安く通話ができます。ただ通話品質はそれなりでしかないですが。

以上、iPhoneを持ちつつ月額の料金を下げることができました。