文字に触れることで輝いた私の世界

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縦書きの原稿用紙と万年筆

どんなに低賃金の職業についていようとも、仕事のモチベーションを保つために娯楽はかかせません。とはいえお金がない以上維持費がかかるものや、頻繁にどこかへ出かけなければならないことを娯楽にすることは不可能です。

そこで私は、最低限のお金と自分の手だけで達成できる趣味とし、今まで生活に潤いを得てきました。

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1.文章を書くことは自分が経験するのと同じこと

昔から「自分の手で何かを作ること」が好きだった私。落書き程度の漫画制作や手芸、作曲などたくさんのものを作りこんできましたが、その中でも一番充実感を得ることができたのは小説を書くことでした。

本を読むと、その内容を疑似体験できますよね。実際本を読んでいる時はその登場人物に感情輸入し、未知の世界を冒険したり、普段は味わえないような恋愛体験にうっとりしたりするものです。

とはいえ、それは作者という他人が決めた道筋を辿っているだけのもの。自分がこうしたい!という欲求を本の中で再現することは絶対にできません。これを可能にしてくれるのが自分で小説を書くことだと気がついたのは、今から数年前のことでした。

ホラー小説が大好きだった私は「自分で怖い話を書いてみたら面白いんじゃないか」と思いつき、拙いながらも筆をとってみることにしたのです。

するとどうでしょう。自分の頭で情景を考えているからでしょうか、本を読んでいる時よりもずっとリアルに、空想の世界を楽しむことができたのです。

主人公が感じている緊張や、周囲をじっとりと包む湿った空気、目の前で繰り広げられる惨劇。小説を1本書き切った後、まるで実際に恐ろしい体験をしたかのような思い出が、鮮明な映像を伴って私の胸に残っていたのでした。

2.本を読まなければ文章を書くことはできない

読む

文章を書くためには、日頃から文字に触れていなければなりません。

お金をかけないとはいえ、本を読んでいなければ自分で小説を書き、そのリアルな情景を疑似体験することはできないのです。

だからこそ私は、お金をかけても本を読むことは絶対にやめませんでした。とはいえ節約中ですから、出費を最小限におさえたいのが正直なところ。

余談ですが私の住んでいる町はコンビニが1つも無い田舎です。当然本がある図書館も古本屋も、すぐに行ける距離にはありません。

そこで活用したのが、ネット通販であるAmazon。Amazonでは、新刊だけではなく古本も取り扱っています。送料も負担になるため、古本屋のように1冊100円などという破格な値段というわけにはいきませんが、本そのものの値段が1円であることも珍しくはないのです。

驚いたのが、そのクオリティ。一桁の値段であるにもかかわらず、新品同様に綺麗な本がたくさん見つかります。書店よりも安く、同じくらい綺麗なものが手に入るのならと、私は小説を買うためにAmazonをたくさん利用しました。

今まで購入した本をすべて数えると、正規の値段で買うよりも数万円はお得だったと思います。

こうして私はAmazonの古本を買い漁って読み、小説を書くための文章力を身につけてきたのです。

3.文字に触れることこそ最高の娯楽節約術

娯楽

文章を書くことと、文章を読むこと。リアルさの程度はあれど、その情景を疑似体験できることに変わりはありません。

その感じ方は人それぞれであり、ただ単に私が自分で小説を書くことにより強い疑似体験を感じただけで、人によっては書くよりも読んだ方がその中身を味わえるという方もいることでしょう。

しかし、それらが共通していることは文字に触れること。

新品でなくても最低限読める程度の本と自分の頭さえあれば、お金をかけなくともいくらだって時間を潰すことができます。

そしてそれは、現実にはとても体験できないような色濃い出来事を自分自身の思い出として胸に刻み付ける方法に他ならないのです。

想像力を働かせる文字を書く、読むという行為は、ゲームよりも映画よりも豊かな経験を私に与えてくれました。

お金をかけなくとも文字に触れるだけでこれほど素晴らしい世界に没頭できることを理解した今なら、もう娯楽費用に頭を悩ませることはこの先ないのだと思います。