自動車の溶接を自前で行い工賃を節約
車についているすべての部品は接着、溶接、ろう付け、ハンダ付け、ボルト&ナットなど様々な方法で接合されています。さらに言えば、シートの製作時に糸を使って縫い合わせる、縫合も接合技術の一つと言えます。
ナット&ボルトが多用される足回り、エンジンの修理ではネジ締めが、ちゃんとできるようになるまで5年かかると言われていますが、正しい締め付け方と一般的な工具があれば分解や組み立ては可能です。
裁縫の心得があれば、シートのオーバーホールも自分ですることができます。
ところが車体は大部分が溶接によって各パネルが接合されています。溶接とは、接合する部分を高温にして、液状にして溶かし金属組織を混ぜ合わせた後に、冷却して固めて一体化する接合技術です。接合強度が高く、軽量で、生産性が高いといったメリットがあり、分解を前提にしていない接合方法なので、個人でするには難しい作業と言われてきました。
溶接で接合された部分を修理するためには、溶接ができなくてはいけないのですが、一般のハンドツールを揃えることとは比べものにならないほどハードルが高かったからです。
そんな私も「もしも専用の溶接機が家庭用のコンセントで使えて、車のボディパネルのような薄板も簡単に溶接できればサイドシルが錆でボロボロになろうが、シートが落ちようが愛車のメンテナンスは自分で対処することができるのに」というようなことを考えていました。
知り合いの板金屋からは「最近は技術が進歩して、100ボルトの半自動溶接機でも結構いけますよ」と言われ、そこから私の溶接へのチャレンジが始まりました。
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溶接機
溶接機は危険な工具ではありませんが、基本的な安全対策は大前提で、電気溶接機を使う場合は作業に適した服装と、安全保護用具の装着から始めます。
高温の溶けた鉄の粒が飛び散るので皮製の手袋や前掛けを装着し、アーク光線などが直接皮膚にあたらないようにするために長袖、長ズボンを着たほうが良いです。
そして、一番大切なのは目を守る遮光シールドで、強いアーク光線を防護具なしで見ると最悪の場合失明することもあります。