福祉住環境コーディネーター2級の難易度や独学での勉強法のコツ

  • 坂下忍

福祉住環境コーディネーター2級 合格証

福祉施設で淡々と働くことに疑問を感じ、今後の人生をステップアップさせるための資格として福祉住環境コーディネーターを目指すことに。

資格取得後の実効性を考え、3級経由ではなく最初から2級を受験。どのようにして一発合格を勝ち取ったか、難易度や勉強法のコツ、また今後の転職の展望について、実体験をもとに綴りたいと思います。

資格名:福祉住環境コーディネーター2級
合格率:15%?70%(絶対評価のため毎回変動あり。私の時は30%弱だったようです)
URL:http://www.kentei.org/fukushi/

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なぜこの資格を取ろうと思ったのか?

福祉施設で働いてゆく中で、上の人や医療職の人から言われるまま淡々と業務をこなすことに「これでいいんだろうか?」と疑問を感じるようになりました。

仕事柄、障害者や高齢者のご自宅にお邪魔させていただくことも多いのですが、家の中で不自由そうに移動されるのを見たり、せっかく改修した住宅がバリアフリーとして生かされていないのを見て、「どうにかならないものか?」と思うことが増えてきました。

バリアフリーについてはなんとなくは分かるものの、具体的にどうすれば使いやすいものになるかについては正直知識がなかったですし、上の人も医療職の人もそこまで細かいことは知らないらしく、大雑把なことしか言われません。

今後もただの歯車として働き続けるようなことはしたくないと思い、将来を見据えてステップアップできる方法・・・今の自分でも取れるような資格が何かないか?と探したところ、この「福祉住環境コーディネーター」という資格に出会いました。

当時、一番取りたい資格はケアマネージャーでしたが、実務経験年数が足らなくてすぐには受験できませんでした。

その点、この福祉住環境コーディネーターは実務経験を問わないので、すぐにでもチャレンジできるというのが決め手になりました。

福祉住環境コーディネーター2級の難易度

70点以上を取れば、受験人数に関係なく合格します。
試験問題の難しさに毎回差があり、そのため合格率がかなり変動します。
1つ下の3級よりも、なぜか合格率が高い時もあったりします。

当初は「まず3級を取って、受かったら次に2級を」と思っていたのですが、3級よりも合格率が高い時があるという事実を知って、最初から2級だけを受けることにしました。

それでなくても3級は、持っていても社会的にはほとんど役に立たないので、受験費用がもったいないだけですし。

合格する前からこんなことを言うのも何ですが、仮に1回落ちてしまっても、次回は問題が簡単ですんなり合格できるかもしれませんので、福祉住環境コーディネーターを目指す方は諦めずに頑張ってください。

幸い私は運良く一発で通りましたが、一度は落ちるつもりで受けました。
そのおかげで、必要以上にプレッシャーを感じずに済んだように思います。

福祉住環境コーディネーター2級の勉強法・勉強時間

福祉住環境コーディネーターは公式のテキストがあり、基本的にはそれを完璧にマスターすれば、必ず合格できるはずなのです。

なので余計な対策本は一切買わず、独学で公式テキストと過去問をひたすら勉強しました。通信教育を利用したり、講座に通ったりは一切しませんでした。

仕事しながらだとそもそも勉強できる時間が限られてしまい、通信教育や講座の課題をこなすのに余計な時間を取られてしまうと思ったので、思い切って独学にしました。

受験勉強は3ヶ月前から始めました。
私は2級のみの受験でしたが、3級の内容も出題されるので2級・3級両方の公式テキストを購入しました。

過去問は市販の「過去5回問題集」(成美堂出版)を購入しました。

「余計な対策本は一切買わず」と書きましたが、1つだけ入手したものがあります。
それは、法律の条文です。

福祉住環境コーディネーターの試験問題はどちらかといえば福祉分野よりも建築分野の設問の方が多く、しかも法律を知っていないと答えられないものが少なからずあります。

特に「建築基準法」と「介護保険法」は重要ですので、条文をネットで探してダウンロードして、いつでも読めるようにしておきました。
それぞれに本法・施行法・施行規則とあるので、全部で6つありますが。

勉強方法ですが、まず公式テキストを理解できなくてもいいのでとりあえず最後まで読破して、次に過去問を解きました。

当然正解できない問題も多いのですが、解答の解説を読むと公式テキストのどこから出題されているかがわかるので、公式テキストに戻って蛍光ペンを引きながらもう一度読む・・・といった感じで勉強を進めてきました。

仕事の空き時間にちょこちょこ過去問を解いたりしたので、勉強できる時間は日によって差がありましたが、休みの日は最低3~4時間は机に向かうようにしました。

過去5回分の過去問をそうやってすべてやり遂げた後、今度はソラでもう一度過去問を解いて、8割以上正解できるまで何度も過去問にチャレンジしました。

福祉住環境コーディネーター2級の合格の秘訣

単なる丸暗記では正直言って、厳しいでしょう。
というか、常人が理解せずに丸暗記できるような情報量では到底ありません。

例えば「背骨のどのあたりが障害を受けると、体のどこに麻痺が出るか?」というのを踏まえて回答しないといけない問題もあったりしますので、知識をもとに「考える」というステップが必要になります。

もちろん公式テキストにはその考え方についても書いてありますので、過去問を通じて「考える練習」をしないといけないでしょう。

私は福祉現場で働いていたので、曲がりなりにもそういう利用者さんの実例を知っている分理解しやすったですが、建築分野から受験される方はこの点で苦労されるかもしれません。

障害者のことについて書いてあるブログ等を読むと、実感として理解しやすくなるのではないでしょうか。

介護保険制度については、歴代の法律改正の内容についても出題されます。
「現場でこうだから、たぶんこれが正解だろう」と安易に回答すると、いつの間にか法律が変わっていて実は不正解・・・というのもありました。

古い過去問を解く時には、今の法律に照らし合わせると答えが変わってしまうものもありますので、その点は注意してください。

「ああ、当時はこうだったのね」と理解できるようになれば大丈夫でしょう。

あと、実は公式テキストはよーく読むと、おかしな記載がちらほらあったりします。

私が職場で勉強していた時、たまたま来られていた整形外科の先生が公式テキストを読んで「ここの記載は厳密に言うと、医学的にはおかしいよね」と言われました。

その時は何がどうおかしいのか分かりませんでしたが、勉強が進むにつれ、先生の言われた意味が後になって分かりました。

公式テキストは建築や福祉の専門家が執筆しておられ、内容も順次改定されてはいますが、医学的な記載についてはどうしても詰めが甘い印象を受けました。

変な言い方ですが、公式テキストに「ここの記載はおかしいよね?」とツッコミを入れられるぐらい勉強すれば、合格できると思います。

この資格は就職に有利となるのか?

福祉住環境コーディネーターを取得したことで、自分の仕事内容にいっそう理解が深まりました。

バリアフリーに関してきちんと意見を言える職員は少ないので、職場の中でも自分の意見が少し通りやすくなったようには感じますが、やはりまだまだ医療職と対等に意見を言える雰囲気ではないなと感じます。

明らかに間違っている医療職の意見の方が通ってしまいがちな現状には、正直悔しい気持ちもあります。

そのため、いずれはこの資格をもっと活かせる現場に転職しようと思っていますが、残念ながらこの資格単体ではまだまだ就職口は少なく、他の資格も一緒に持つことで「合わせ技」で採用されるというケースが多いようです。

合わせ技の資格で多いのはケアマネージャー、インテリアコーディネーター、福祉用具専門販売員といったところです。

勤務先や仕事内容には特にこだわりはないので、今後の求人状況を見ながら、上記の資格を取ることを考えようと思います。